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賀川豊彦記念 松沢資料館の学芸員による雑記帳です。仕事上の出来語や、最新のイベント情報などを掲載します。 (主観的な情報も含まれますので、館としての公式見解でないものであることをあらかじめご了承下さい。)
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しばらく、記述をサボってしまった。「サボ」ということばは、サボタージュから来てるが、もともとはフランスの労働争議で労働者が木靴(サボ)で機械を壊したからだそうである。{広辞苑} 賀川関係の資料を読みこんでいると、そのあたりの言葉が飛び交うので面白い。とにかく、拙いブログながらも、もしも楽しみにしておられるかたがいたら、大変申し訳なく思うところである。

さて、先週火曜日には、鳴門市の賀川記念館の館長さんがお訪ね下さって、賀川豊彦の関係した事業展開図の訂正について、協議させて頂いた。その際、賀川が戦後立ち上げた財団にはふたつあり、一つが、国際平和協会であり、もう一つが道義新生会であるという話題になった。そこで鳴門館の館長氏は、道義ということばから派生して、現代の道徳観念の乏しさを嘆かれた。この方は国立の教育大学で長く教鞭をとられていただけに、その悲観的にさえ感じる世相状況を映した言葉には、痛みのような重みを覚えた。



「道徳教育というと、戦前の軍国主義と直結した教育勅語的なイメージのためか、なかなか声高に教えることが、公教育の場では避けられてきてしまった。 そのため、戦後の企業戦士養成、あるいは現代の過当な受験戦争一辺倒という弊害を生んでしまい、人間らしく生きることや、人と人とのあるべき姿、また世や 社会のためにどう自分が向き合っていくか、といったことがすっかり置き去りにされてしまってきてしまい、そのことのおつりが、今さまざまなひずみを生みだ しているのだ」、というような内容をお聞かせ頂いた。とても感慨深かった。

ちなみに筆者も、中高科Ⅰ種と専種の宗教科教員免状を取得している。これは一般には「道徳」の授業に相当するものである。なので、主体的に考えざるを得ない心境がたちまち起こされた。

なるほど「道徳教育」ということばを聞くと、一種のなんとも言えない、警戒感 というか、先験的なものかもしれないが、素直に受け入れがたい心情が自分の内面にもあるような気がした。それはどこかで「道徳教育」という響きへの誤解などが自分の なかの心理構造に影響しているのであるからかもしれない。押しつけられた価値観のような、あるいは強制的に、心や良心の自由を奪われたような歴史理解などなど…。

理性でたどれば別段懸念もないのだかが、人の心にある印象とは不思議なものだ。案外そういうものが自分の判断力の多くを支配しているのかもしれない。つまり、根拠のよくわからないような、思いこみにである。だからていねいに、理解と整理をしていかねばならない。

本来「道徳教育」は、いい響きでなければならず、自分に内面化され、自己を律し、自分にとっても良いもの、気高いもののように 感じなければならないのに、なぜか違うものを覚えてしまうのは、まさに錯覚であろう。同じイメージを持つ方がおられれば、もう一度このことをご一緒にとらえなおして頂きたいと思う。そして「道徳教育」という言葉の響きがもつ、共同幻想的な「誤」理解を静観して、もう一度公教育での復権をお考え頂けないだろうかと思った次第である。

賀川豊彦も「道徳」の行き渡らない世相を嘆いていたと、記憶をかすめる…



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[賀川の仲間]賀川豊彦を世に出したのは村島帰之さんです
 神戸賀川記念館館長の村山牧師から、意外な話を聞いた。 「賀川豊彦を世に出したのは村島帰之さんです。先生の片腕だった。毎日新聞の記者ですよ」  この連載を始めたころ、労働記者の草分けで賀川のベストセラー「死線を越えて」出版の橋渡しをした先輩がいる、と聞いた
URL 2008/10/29(Wed)23:54:24
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プロフィール
HN:
賀川資料館 学芸員 杉浦秀典
年齢:
53
性別:
男性
誕生日:
1964/10/06
職業:
博物館学芸員
趣味:
資料整理、バイク
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