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賀川豊彦記念 松沢資料館の学芸員による雑記帳です。仕事上の出来語や、最新のイベント情報などを掲載します。(個人的な見解であり、資料館としての公式な見解ではありません。)
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霞が関ビルから見下ろせば、そこに国会議事堂が見えた。国家の最高機関を、このビルからは見下ろせるのである。なるほど官僚が入るこのビルに登れば、こういう風景が眺望できると共に、なんとも表現しづらい気持ちが浮かぶことが実体験的で味わえた。

この建物間の相関性とは、すなわち国家機関の組織間、あるいは関わる人間同士の関係の構造性を如実に語っているように思えてならない。このビルにいる人々は、こういうところから見下ろす心境に慣れているのだろうが、当の視線の先にいらっしゃる方がたは、物理的にいつも見下ろされているのである。 なんとも象徴的な構図であるが、まさに日本の政治的縮図なのではあるまいか…

最近、埼玉県朝霞市での公務員宿舎問題では、二転三転して凍結の結果となったというが、その背後に見え隠れする財務省の思惑。国民の関心を、強い怒りを抱きやすい朝霞宿舎問題にわざと向けさせ、その間に増税の準備を水面下で進める政治手法だと、昨今マスコミでも取り上げられているようだ。そういったことは古代からある方法だろうとは思う。しかしながら、もしも総理までもがそんなシナリオを本当に実演しているなら、あきれるを通り越すのは、私だけではないだろう。もしもそうならば、それもこれももしかしたら、先に述べたような建物間にある象徴的な関係性の実体があるからかもしれない…などと考えてしまう。

それならばいっそのこと、国会議事堂そのものを高層化してしまえばどうだろうか?民主主義の象徴的なものとして、都庁よりも高い建物にでもしては…などと愚にもつかないことを思いつく。もしもそうであれば、同じ建物に国連機関やら、NGOやらが一緒に入って風通しもよくなろうに…。

さて、戯言はこれまでにして、前回は世連会長のお祝い会のことを報告したが、今回は全然関係ないことを一つ。

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ようやく暑さがやわらぎ、急加速で秋モードへ入っているこの頃である。いつもながらあわただしく過ごしているが、先月もいくつかイベントがあった。

9/21には、JA共済連合会様で、公開フォーラムを開催させて頂けた。前回7月にも台風に見舞われたが、なんと今回も同じく、しかも直撃であった。それにも関わらず、会場はほぼ満席で、皆様熱心に講師の神野直彦先生、本間照光先生のお話を聞きいって下さった。お二人とも大変感銘深い内容であったので、ご来場になれなかた方には、大変残念であるが、来年には計3回分の講演会を、一冊の書籍にしt出版する予定であるので、そちらでお楽しみ頂ければと願う。

その後9/30には、その設立に賀川も尽力した、世界連邦運動の会合があった。世界連邦そのものは、11月13日(日)に日本大会があるのだが、実はこの日は、世界連邦運動協会の現会長であられる、海部俊樹氏がこの度叙勲をされたので、それを身内でお祝いしようとして開催した食事会であった。国内各地よりたくさんの方がご参加され、雑芸員も会場案内に汗をかかせていただいた。

会場は、霞が関ビル最上階だったので、首相官邸、国会議事堂を眼下に見ながら頂く食事はまた格別(?)であった。詳細は、世連機関誌に詳しく載るであろうが、食事に先だって海部会長より、講演会が行われたが、これがまたなんとも関心を抱く内容であった…
夏休みも明けて9月の抜ける青空を期待していた矢先に、大きな災害がまたも起きてしまい、被災地に皆さまへは、心よりお見舞い申し上げるばかりであります。一日も早い復旧に向けた取り組みが、被災地になされますようお祈り申し上げます。

なんとも災害の多い年である。いまだ東日本大震災とそれに伴う原発事故からの復旧も滞っているなか、今度は台風の被害が引き起こされてしまった。大量の降雨による土砂災害であるが、またも人間の無力感をなんとも覚えてしまう。

前回賀川豊彦の関東大震災の際の、復興への決意を書いた掛け軸が全国へ報道されたことをお伝えした。賀川は関東大震災の東京での支援活動で大変な活躍をしたのは確かであるが、それだけでなく、昭和2年の奥丹後地震の際に救護へ行っている。

また昭和9年9月の関西風水害でも救援活動を行った。昭和13年の神戸水害へも救援へ向かい、昭和15年の静岡大火罹災者のための精神復興講演会を行っている。鳥取大地震の起きた昭和18年9月にも救援を行い、自然災害ではないが戦時下には、戦時救済委員会委員長となり戦災者の救護をつとめた。賀川の被災者支援は、生涯続けられていったのである。

自然災害そのものへの無力感はしかたない面があるかもしれない。しかし、発生後の対応は人間に可能なものである。いや、そのような時こそ、人間らしさが問われる時なのかもしれない。賀川のあくなき取り組みの軌跡には、今日の私達へ訴えるメッセージがあるのではないだろうか…

先週から昨日まで、休館とさせていただいた。電力需要もピークを迎えることもあり、いっせいに資料館を休ませることで、効率的にも消費エネルギーを下げられかつ、職員も休養させることも出来るので、このようにさせて頂いた。もちろん、この時期に不便をおかけした方にはまことに申し訳ないが、本日より開館しているので、ご用の向きがあらば、お問い合わせいただきたい。

休み前まで、実に多忙であった。8/6には、久々にアーキビストカフェが開催され、多くの同志が集い交流を果たせた。毎回開催直前まで、参加者の数に不安を持つことが多いが、今回もたくさんの方が申し込まれ、感謝であった。マスターが、今回はK氏であったが、また味があり、次回が期待される。是非、HPをチェックしていただきたい。仮に10/1(土)で予定する話も出ているが、確実ではないので、要チェックいただきたい。

戻る8/3には、世界連邦国会委員会の総会が衆議院議員会館で開催され、海部俊樹会長、森山真由美先生はじめ、現役議員さんも多数お集まりくださった。広島大学の城忠彰先生からのご講演もあり、秋11/13(日)に政策研究大学院大学を会場に開催される、日本大会も期待される。多くの方にご参加いただきたい。これまであまりお役に立てていないが、小生も参加を予定している。
http://www.wfmjapan.org/008/index.html 

7月には、公開フォーラムが、共栄火災海上保険㈱様より会場のご提供を頂いて開催された。多数の方で会場は埋められた。(当日の内容は、当館のトップ頁をごらん頂きたい。)
尚、9月21日(水)にも、今度はJA共済ビルをご提供いただいて、開催予定である。まもなく、当館HPへ掲載するので、チェックしていただければと願う。神野直彦先生(東大名誉教授・地方財政審議会長)と、本間照光先生(青山学院教授・同総合研究所長)のお二人がご登壇くださる。講演後には、質疑の時間もあるので、是非多くの方のご参加を願いたい。

第三回公開フォーラムは、11月に予定している。千葉大大学院の小林正弥教授と、帝京大学の濱田陽准教授にご登壇を頂く予定である。小林先生は白熱教室でご存知であろう。また濱田先生も、多くの著書がありご存知の方も多いであろう。ご期待願う。小林先生には、9月に当館でイベントをご開催頂くのだが、詳細は後ほど。また濱田先生のお師匠様である山折哲雄先生が、太田出版社の『atプラス』で連載していたものをまとめられて、このたびご出版された。その巻末には、なんと賀川論をお入れくださった。先日お会いしたT編集長様からは、賀川も面白いが宮沢賢治論も、お読みいただきたいとお勧めいただいている。是非書店でお買い求めいただきたい。

7月17日夜には、新宿三丁目のとある店で、なんとかの横好きといえるような腕前の小生が、あこぎ一本でライブをさせて頂いた。4月に震災チャリティで赤坂見付で、演奏させて頂いて以来である。わずか10分ぐらいの出番であったが、お聞きいただけただけ感謝であった。その延長というわけではないが、9月には仕事とは別に、サークルとしてごすぺるを思い切り歌えるライブ形式の集いを持つ予定である。サークルであるから誰でも入れる。無料だが、震災のチャリティへご協力いただければ幸甚である。ちなみに、資料館では7月末で第二次募金をまとめて漁協さんへ送らせていただいた。もちろん強制ではないので、お気持ちがあるかただけ、帰り際にでも、館に備え付けの募金箱へご厚志いただければ幸いである。(9/14(水)18:30~、夜の資料館を味わえます。仲間つくりにもどうぞ!)

とりあえず以上













(左:大正13年 本所基督教産業青年会のスタッフ)
(右:本所産業青年会で働いたスタッフとボランティアたち)
 

賀川の活動は、この後各種の事業へと発展を遂げてゆきます。彼はセツルメント活動通じて、地域の回復と新しいまちづくりを始めました。
そのために彼は各種事業の運営に乗り出しました。




4699a586.jpg江東消費組合







住民の生活改善のために、消費者組合を設立しました。



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(中ノ郷質庫信用組合)



低金利で融資を受けられるよう、金融機関を設立しました。

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(東京家政専修学校)






 職業を得るための訓練機関を設立しました。

他にも、学生消費組合など、各種事業を通じて、物心両面を支えてゆきましたが、賀川の場合、特に精神的な復興を目指していったのでした。

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プロフィール
HN:
賀川資料館 学芸員 杉浦秀典
年齢:
59
性別:
男性
誕生日:
1964/10/06
職業:
博物館学芸員
趣味:
資料整理、バイク
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