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賀川豊彦記念 松沢資料館の学芸員による雑記帳です。仕事上の出来語や、最新のイベント情報などを掲載します。(個人的な見解であり、資料館としての公式な見解ではありません。)
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霞が関ビルから見下ろせば、そこに国会議事堂が見えた。国家の最高機関を、このビルからは見下ろせるのである。なるほど官僚が入るこのビルに登れば、こういう風景が眺望できると共に、なんとも表現しづらい気持ちが浮かぶことが実体験的で味わえた。

この建物間の相関性とは、すなわち国家機関の組織間、あるいは関わる人間同士の関係の構造性を如実に語っているように思えてならない。このビルにいる人々は、こういうところから見下ろす心境に慣れているのだろうが、当の視線の先にいらっしゃる方がたは、物理的にいつも見下ろされているのである。 なんとも象徴的な構図であるが、まさに日本の政治的縮図なのではあるまいか…

最近、埼玉県朝霞市での公務員宿舎問題では、二転三転して凍結の結果となったというが、その背後に見え隠れする財務省の思惑。国民の関心を、強い怒りを抱きやすい朝霞宿舎問題にわざと向けさせ、その間に増税の準備を水面下で進める政治手法だと、昨今マスコミでも取り上げられているようだ。そういったことは古代からある方法だろうとは思う。しかしながら、もしも総理までもがそんなシナリオを本当に実演しているなら、あきれるを通り越すのは、私だけではないだろう。もしもそうならば、それもこれももしかしたら、先に述べたような建物間にある象徴的な関係性の実体があるからかもしれない…などと考えてしまう。

それならばいっそのこと、国会議事堂そのものを高層化してしまえばどうだろうか?民主主義の象徴的なものとして、都庁よりも高い建物にでもしては…などと愚にもつかないことを思いつく。もしもそうであれば、同じ建物に国連機関やら、NGOやらが一緒に入って風通しもよくなろうに…。

さて、戯言はこれまでにして、前回は世連会長のお祝い会のことを報告したが、今回は全然関係ないことを一つ。


それは今から8~9年ほど以前のことである。そのころ、千葉に居た私は、地域で活躍する「国際親善の会」なる市民活動を行う団体様よりお招きを受け、市民向けクリスマスの会を海岸側のホテルで開催するので、短い時間でいいから、本当のクリスマスを話して欲しいとお願いされた。すぐさま快い返事をして、当日に臨んでみると、普段は結婚式用のチャペルではあるが、たくさんの市民がお集りになっていた。そこで、光栄にもお話しさせて頂いたのだ。終わってみると市長さんもおられ、うやうやしく挨拶を交わした。

翌年もまた、同じく小生へ依頼が入り、「あまり小生ばかりが出るのも」、と少々遠慮したかったのだが、他にお引き受けされるかたもすぐに見つかるわけでもないしと、とりあえずお引き受けした。

前年同様に、ろうそくの炎に囲まれたキャンドルサービスの中、クリスマスの集いが行われ再び小生がお話をした。すると、目の前にどなたか風格のある方が座っている。いつも駅前で親しげに市民にマイクで呼びかけ、逆に話しかけてくる人には誰であれ、礼儀正しく名刺を渡していたので、顔を覚えていた。野田佳彦議員である。野田氏が小生の「説教」をじっと聞いていたの田。

無事に会は終了し、来賓者の挨拶として、野田氏が先ほどまで私が居た場所に立ち、スピーチを述べられた。
「こういったろうそくのあかりの中にいると、昔台風などの時に停電して、家族で一本のろうそくを囲んでいた時を思い出します。じっとその灯りを見つめながら、家族のきずなというものをそこでは味わっていた…」 

といったような、優れたスピーチを語りだし、それまでの私の話など、どこかにすっ飛んでしまってしまった(!)

後日、「野田氏は私の話をきいたから、もしかしたら総理になるかもしれない!(サムエルかおまえは…)」 などと、悔し紛れにいいかげんなことを口走って、ひんしゅくの目を向けられたものであったが、果たしてそれが実現してしまったのだから世の中はわからない… 

時間差をを度外視すれば、後に総理になる人物へ小生は説教した、すなわち、『総理へ説教をした』のであるが、それは考えてみればいまや国民すべてがしていることである… 



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プロフィール
HN:
賀川資料館 学芸員 杉浦秀典
年齢:
59
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男性
誕生日:
1964/10/06
職業:
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