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賀川豊彦記念 松沢資料館の学芸員による雑記帳です。仕事上の出来語や、最新のイベント情報などを掲載します。(個人的な見解であり、資料館としての公式な見解ではありません。)
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雨の降りしきる先月曜日、雑芸員は足早に目的地に向かった。新宿駅を降りると迷うこともなく、雑踏の地下通路をすり抜け、動く歩道で足を滑らせながらもホテルへと到着した。まだ時間まで少しある、と本当はそれほど余裕もないのに、きっと緊張を和らげるためにか入口の喫茶店に入る。

込んでいるような空いているようなよく分からず、雨よけに着たウインドブレーカーの前を空け、店員に尋ねる。下にはちゃんとネクタイぐらいはしてるからその辺りのジョギングのおっさんとは違うんだぞ、とばかりに、きちんとした身なりだと暗に示しつつも、センスのない恰好をさらけ出しながら席につく。出されたおしぼりを造作もなく顔にあて、首までは拭かないことに、残り少ない若さの担保を覚えながらケーキセットを注文した。

普段資料館での業務は、エキシビジョンの管理のほか、アーカイブズの管理や対外的な雑務をこなしている。しかし、最近は学芸業務として重要視されている一つに、パブリックリレーション活動がある。簡単に言えば「PR」活動のことだが、博物館のもつコンテンツを外部へ発信するための教育プログラムを組む「エデユケーター」や、直接コミュニケーション活動を行う一つとしての「レクチャラー」という仕事も、学芸員の職務範疇に入っている。

もちろん、展示場を案内するガイド(鉄道博物館では、「インタープリター」と称している。)も日常業務の一つだが、外部まで出かけて行ってのコンテンツ発信(講演会)は、もはや日常業務の一つとさせて頂いている。つまり日本語でこそ、博物館専門職員は「学芸員」という一つの言葉ですまされるが、実は多様な職務を総称して学芸員と呼んでいるのだから、本質的には「雑芸員」なのが実情ではないだろうか…などと、ほのかなコーヒーの香りに誘われ、自由な想念が脳裏をかすめる。

窓の外の通りを行き交う人々を遠目で眺めているうち、時間が迫ったことに気付き、席を立ち会計を済ませエレベータへ搭乗。会場に着くと、すでに来場者が受け付けにあふれている。こんな大勢の人を前に話するのか…武者ぶるいするでもないが、緊張を隠しつつ控室に逃げ込む。

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世界連邦21世紀フォーラムが開催され、今回は、ヒューマン・ライツ・ウォッチ、アジア局東京ディレクターの土井香苗氏がご登壇された.小生も微力ながらも名を連ねている、「国連認定NGO・世界連邦運動」の支部、:世界連邦21世紀フォーラム」の理事も担われている。すでにその活動はマスコミにも数回取り上げられ、ご存知の方も多いかと思う。美しき才媛ともいうべき方であるが、小生はその講演内容にひきつけられた。

ヒューマン・ライツ・ウォッチは、本部をニューヨークに置くNGOで、世界80ケ国をカバーしている。正規職員が280名、その他の職員を含めると400名とのこと。年間収入は41億円相当ある。しかし政府系資金は全く受けず、個人や私立財団から支援を受けている。これは独立性を確保するためである。そしてスタッフの半数が法曹関係者とのことで、主に弁護士や安全保障の専門家が多い(土井氏も東大在学中、学部3年生でなんと司法試験に合格したとのこと!)。国連人権賞や他団体と共にノーベル平和章を受けた権威ある団体である。
雑芸員が参与している、世界連邦運動の最近の課題として、「国際連帯税」の創設への取り組みがある。その成果が少しづつ世間に認知され始めている。

議員連盟が発足し、寺島実郎氏が音頭を取った「寺島委員会」が牽引してくれている。そして市民運動として、「国際連帯税を推進する市民の会」が昨年4月に発足し、小生も運営委員と事務スタッフをおおせつかっている。

とはいえ、国際連帯税とはなんぞや?という方も多いと思うので、下記までまずはご覧あれ。

http://www.acist.jp/


以下、新聞記事より。

■国際連帯税へ中間報告
 
  国を越える経済活動に課税し、途上国への援助資金に充てる「国際連帯税」について 民間の有識者らによる「国際連帯税推協議会」(座長・寺島実郎日本総合研究所会長)が、政府に導入を求める中間報告書をまとめ、28日開かれた超党派の「国際連帯税 創設を求める議員連盟」(会長・広中和歌子参院議員)に提出した。
  報告は、主要通貨取引に0.005%の税率で課税し、決済取引する金融機関から 税を徴収するよう提言している。  (朝日新聞1月29日朝刊)
ダウンロード(pdf)

8月16日のクリスチャン新聞にて、賀川豊彦の『友愛の政治経済学』の書評が掲載された。
これは、同紙の編集者より、是非取り扱いたいとの要望を受けていたのだが、掲載されたことの周知がほとんどなかたったようなので、あらためてご紹介したい。
蒲郡での賀川の足跡を、前回述べたが、若き日の転地療養のためには、気候、風土ともに絶好の場所という印象を受けた。その、賀川が住んでいた漁村近くに、八百富神社という社が、海岸に向かって立っている。その社の正面には、青島に向かっての橋がかかっているのだが、この神社正面右側には、なんと写真のように、世界連邦都市宣言の記念碑が建っていたのである。(犬も歩けば棒に当たるとはこのこと…!)

湯川秀樹博士の筆による揮毫を石に彫ったものであるが、ご存知のように世界連邦運動への賀川の貢献は大きい。蒲郡は、まさに賀川ゆかりの地というにふさわしいという印象である。関心のある方同士で、ツアーを組まれたらよろしいかもしれない。
178.jpg(ななめ横からのショット)






213.jpg(八百富神社から海へ向かった風景)






246.jpg(海辺の文学館内にある賀川のパネル)










254.jpg海辺の文学館のパネル下に貼ってある情報紙。賀川純基氏と地元の研究家によって、賀川の蒲郡逗留時の事が紹介されており、大変勉強になった。賀川がお世話になったのは、小笠原増次郎さんという船乗りさんだったそうである。蒲郡新聞にも掲載されたそうだが、その記事によれば、賀川の住んだ庵は竹島町6番10号境氏宅と西隣の安藤宅との間にある、道路沿い東側であったと書いてある。






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プロフィール
HN:
賀川資料館 学芸員 杉浦秀典
年齢:
59
性別:
男性
誕生日:
1964/10/06
職業:
博物館学芸員
趣味:
資料整理、バイク
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