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賀川豊彦記念 松沢資料館の学芸員による雑記帳です。仕事上の出来語や、最新のイベント情報などを掲載します。(個人的な見解であり、資料館としての公式な見解ではありません。)
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賀川豊彦が創設にかかわった、世界連邦が現在推進している、国際連帯税がいよいよ本格的に議論される運びとなった。昨日のNHKニュースで取り上げられたのだが、詳細は下記をご覧あれ。
http://www.nhk.or.jp/news/html/20100922/k10014131431000.html

国連で開催中のMDGサミットでの「革新的資金調達に関するリーディング・グループ」(61か国)のサイドイベントの報道である。
前原外相のコメントによれば、日本国政府が本格的に議論するということである。NHKのHPの動画をご覧頂ければおわかりのように、世界60ケ国の外相クラスが一堂に会して、革新的資金調達のための国際連帯税を議論しているということは、もはや世界の趨勢となるのは必至であろう。

尚、26日(日)には、国際連帯税に関するイベントが開催される。皆様もよくご存知の、寺島実郎氏が講演される。また、第二部では、各NGO、労働組合など6団体によるシンポジウムが開催される。ちなみに、第二部のファシリテーターは、雑芸員である。
詳細は下記まで!
http://www.acist.jp/images/stories/2010.pdf




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小生が参加しているNGOで、以下のようなニュースおよびイベントがあるのでご紹介したい。是非、これを機会に、多くの方にご参加頂ければ幸甚である。尚、本年12月にはリーディング・グループによる会議が予定されている。いよいよ本核的に動き出しそうである。忙しいながらも実りある秋になりそうだ…


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峰崎直樹財務副大臣は19日の会見で、円高・為替問題のほかに「国際課税に関
する小委員会」発足について述べましたが、いよいよ国際連帯税議論が政府税制
調査会を舞台にはじまろうとしています(昨年度税制改正大綱で「国際連帯税を
早急に検討する」と決定した)。

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【ロイター通信】流動性のわな、金融緩和で抜けられるか疑問=財務副大臣
2010年 08月 19日
http://jp.reuters.com/article/politicsNews/idJPJAPAN-16848020100819

…前・中略…
また税制改正に関連して、9月初めに「国際課税に関する小委員会」を発足さ
せる考えを明らかにした。同小委の検討課題について国際連帯税と移転価格税制
を挙げ、国際連帯税については「最終的にはトービン税までいけば一番良いと思
う」と述べた。

国際連帯税は、国際金融危機や貧困・環境問題など地球規模の問題への対策と
して注目される手法のひとつ。金融危機対策の財源確保や投機抑制目的として、
国際金融取引等に課税する手法や、途上国の開発支援の財源確保のために国境を
越える輸送に課税する手法など、様々な手法が議論されており、フランスやチリ、
韓国などでは航空券連帯税が導入されている。


<以下、イベントのご案内です>

>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>

国際連帯税実現に向け大きく世論を盛り上げていくために、下記とおり「東京シ
ンポジウム2010」を開催します。寺島実郎さん(日本総合研究所会長/多摩大学学長)の記念講演がありますので、ふるってご参加ください。
 
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
          ◆◇「国際連帯税」東京シンポジウム2010◆◇
       ~グローバル通貨取引税・航空券連帯税の実現に向けて~
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
◎日時:2010年9月26日 午後1時開会(12時30分開場)
◎場所:東洋大学 白山スカイホール(白山校舎2号館16階)
     (都営地下鉄三田線「白山」駅A3出口から「正面・南門」徒歩5分)
◎主催:国際連帯税推進協議会(寺島委員会)
       国際連帯税創設を求める議員連盟
       国際連帯税共同キャンペーン
◎共催:東洋大学大学院福祉デザイン研究科福祉社会システム専攻
◎資料代:1000円
◎参加申し込み先:
   「9.26シンポジウム参加」とお書きの上、お名前、ご所属、メールアドレスを明記して、下記までにお送り下さい。
    ・e-mail: acist.japan@gmail.com FAX: 03- 6803-2117
◎定員:120人(早めに申し込みください)
 …………………………………………………………………………………
 
深刻化する世界の貧困や地球環境問題--そのひとつの解決策として国際連帯税や国際金融取引税の議論が内外で高まっています。日本においても超党派の「国際連帯税創設を求める議員連盟」のもと、2009年4月に寺島実郎氏(日本総合研究所会長/多摩大学学長)を座長として「国際連帯税推進協議会」(以下、協議会と略)が設立され、国際連帯税とくに通貨取引税の実現方法を検討してきました。昨年12月に中間報告書を作成し、国内はもとより海外においても問題提起を行い、議論活性化の一助を担ってきました。
 
協議会は今年9月初めにに最終報告書を提出する予定です(報告書のメイン提言は「グローバル通貨取引税の導入」を予定)。本シンポジウムは、この最終報告書の内容を市民、研究者、国会議員、政府関係者、メディアに広く知らしめることを目的とします。座長の寺島実郎氏から「国際連帯税: 地球規模課題に対する新しい政策提言」(仮題)と題した記念講演を行っていただきます。
 
一方、協議会と同時期に設立されたのが、国際連帯税を日本の市民レベルで盛り上げていくことをめざす「国際連帯税を推進する市民の会(アシスト: Association of Citizens for International Solidarity Taxes)」です。そのアシストが中心となり他のNGOや労働組合とともに、このたび「国際金融取引、航空券等への課税を求める国際連帯税共同キャンペーン」を立ち上げました。本シンポジウムは、共同キャンペーンに参加するNGO/NPO、労働組合から、また気候変動問題や途上国支援・協力に取り組んでいるNGO/NPOから様々な活動について報告していただき、市民レベルの盛り上げをいっそう図っていくことをもうひとつの目的とします。
 
地球上の人びとが貧困や環境破壊のない、そしてともに暮らせる社会の実現をめざして、市民、学生、研究者のみなさま多数のご参加をお待ちしております。 

◆◇国際連帯税とは?◆◇
国境を越える特定の経済活動に課税して、世界の貧困・感染症、気候変動対策などグローバルな課題解決のための資金を調達する手法で、国際航空券税や国際金融取引(通貨取引)税などのスキームがある。前者は、すでにフランスや韓国など十数カ国で実施されている。日本でも昨年末まとめられた『2010年税制改正大綱』で「我が国でも、地球規模の問題解決のために国際連帯税の検討を早急に進めます」と謳っている。
 
<プログラム>
●開会(13:00)
●第一部:記念講演と国際連帯税推進協議会最終報告書の紹介
 *政府からのあいさつ(要請中)
 *国際連帯税創設を求める議員連盟からのあいさつ:
                     林芳正氏(会長代行:参議院議員)
 *記念講演:寺島実郎氏「国際連帯税: 地球規模課題に対する新しい政策提言」
       (仮題) 
 *協議会最終報告書について(経過と解説) 
●第二部: 国際連帯税共同キャンペーンからのアピール
 *基調:国際連帯税共同キャンペーンは何をめざすか?
 *共同キャンペーン賛同団体等からのアピールなど 
●閉会(17:00)
 
<連絡先>
〒110-0015 東京都台東区東上野 1-20-6 丸幸ビル3F
  Tel: 03-6803-2114 Fax: 03-6803-2117(世界連邦運動協会)
  Tel: 03-3831-4993 Fax: 03-3834-2406(オルタモンド)
 
*********************************************
●オルタモンド事務局
 〒110-0015 東京都台東区東上野 1-20-6 丸幸ビル3F
   Tel: 03-3831-4993  Fax: 03-3834-2406
      携帯電話:090-3598-3251
        http://www.acist.jp/
        http://altermonde.jp/
左の写真は、裏書によれば、1931(昭和6)年に、”カガワス・トリート”で撮影されたものである。この年、カナダのトロントで開催された、YMCA世界大会へ向かった際、合わせて全米各地で伝道・講演を行ってきた。その時撮影された一葉の写真である。前回紹介したのは1935(昭和10)年の訪米であったが、こちらは、その4年前の訪米時の写真である。7/10-11/12までの期間、賀川は盟友、小川清澄、村島帰之と共に横浜より出帆。シカゴ、ニューヨークほか、各地で盛大な会が開催される。その後、ロスアンゼルスに滞在した9月24日に、ここ”カガワ・ストリート”(被写体の足元を注目!)を訪れたことが記されている。以下は、随行した村島が雲の柱誌に寄稿した「アメリカ巡礼(初期は「アメリカ紀行」だが改題した)」にある記録である。

『【…】カガワストリート   今度は海岸沿いのハイウェーを走る。サンマ―ランド付近では石油のやぐらが海中に沢山に立っていた。海の中から石油が沸くのだ。ロサンゼルスに這入りがけに、カガワストリートというのがあるというので、そこへ車をやる。小高い丘の東西に通ずる四間道路だ。町名標には明らかにKAGWAの字が読める。誰がつけたのか、賀川先生も町の名にされるようになった。町名標の下に賀川先生を立たせて記念の映画をとる。私たちも一緒に。【…】 』(雲の柱昭和7年7月号p.78)

(この際撮影された一枚がその時の写真ではないかと推測している。裏書では、クエスチョンマークがあるので、おそらくということであるが。)

村島の旅行記では残念ながら、一緒に写っている人物がだれなのかが書かれていない。前後を読んでも他の米国人随行者がいることも触れてなく、特定が困難である。(たまたま通ったご近所の方だろうか…それにして背広だし…)

この米国訪問記では、賀川の講演会が相当妨害されていることが随所に書かれている。前回は、米国保守派の攻撃があったようだが、この時のロスでは、日系人共産主義者の某グループ(米国で!?)によって、数回講演でヤジによる妨害を受けた記述が見られる。講演会場では、そして、”カガワ・ストリート”訪問日には、それらの一派が会場で革命歌を謳いだし、司会者は対抗するため讃美歌の合唱を命じたとある。 『…讃美歌と革命家の二重唱…』(村島 同 p.79)。一体どんな空気だったのだろうか?もちろんむつまじく歌っていたのであれば天国のような歌合戦の風景だが、残念ながらきっとそうではないだろう。

その後、警官が会堂に這入り、首謀者と思しき人物が拉致されていったとある。そしてようやく賀川の講演(説教)が始まったそうである。はたして、一時間後には大歓声の拍手とともに終了した。

帰り際には、先の某グループ運動員が、どうやら待ち伏せしているとの情報から、スタッフは別口より賀川を車に押し込み、スタートするも、尾行する車が有り、カーチェイスへ! まさに映画の街ならではの派手な活劇が繰り広げられ、やがて追手を振り切り、つぎの旅程へと無事向かう…。

なんとも、騒がしく忙しい旅行記がつづられている、”カガワ・ストリート”訪問の一日であったようだ。


001_05_00075.jpg左の写真は、1935(昭和10)年に賀川豊彦が、アメリカへ渡った際の賀川の写真である。アメリカ基督教連盟の招きで米国復興運動、協同組合運動指導と、ヨーロッパの国民保険制度の視察のために横浜から秩父丸で渡米した。中山昌樹も一緒であった。
12月5日に乗船、同月19日、サンフランシスコに到着するも、眼病のため上陸を許可されなかった。はるばる太平洋を越えて行ったのにもかかわらず、三日間彼はエンゼル島というところに収容されていた。雲の柱身辺雑記によれば、移民局が条件をつけたとのことである。それは、看護婦をつけること、保証金500ドルをつむこと、個人の宅に絶対に止まらないこと、これらである。この写真は、まさにそのエンゼル島で撮影されたものである。

賀川によれば、ここには病院があり、そこに収容されていた。サンフランシスコ市長の公式歓迎会とロサンゼルスでも午餐会が用意されていた。きっと気持ちは焦ったに違いない。あきらめて日本に帰ることも覚悟していたようだ。まさにそんな雰囲気が、にじみでた写真ではないだろうか。

これらの式典のために、その後「特別上陸」が許可されたことは周知である。これには、ルーズベルト大統領が大統領令でとった措置として、後々保守派の勢力から批判されることになるが、賀川の文によれば、米国の教会挙げての歓迎なので、前例のない仮出所(ママ)とのことである。収容所には、教会関係者のみならず、消費組合関係者もお見舞いに来てくれたとある。

賀川によれば、
「政治的問題が有っただろうとのことで、私だけの眼を調べることになり、いつもの如く落第したのです【…】」

とあり、どうも賀川の上陸を阻止する勢力からの横やりで、眼の病気をあげつらって、抑留されていたようにも読めるのである。実際、この特例措置で、なんで賀川だけそんなことが許されるのだ?と米国市民側からやり玉に挙げられたようだが、それも政治闘争の具として利用されたもので、保守派の人々は賀川を社会主義者(マルクス主義、アカ)という疑いを持っていたので、賀川を支持したり寛容なそぶりを見せる人々はゆるせず、ルーズベルト他らに相当詰め寄ったようである。特に南部のとある牧師(殺人罪で起訴されたが正当防衛で無罪となった経緯のある人物と賀川は報じている)などは、執拗に賀川への攻撃を仕掛け、このことは賀川自身が書き残している。つまり賀川は、一方では大歓迎でも、反対派らは「賀川反対集会」を開催するほど、米国内を騒然とさせる、いわば嵐を呼ぶ男だったのだ!

なんにせよ、こういった政治的な騒動が起きたということは、それだけ1935(昭和10)年頃のアメリカでの賀川の知名度が相当高かったことの証左なのではないだろうか。はたして現在の日本で上陸するだけで物議を醸す人物がいるのやら…


今朝、夏期休館が明けて、久しぶりの出勤にそれほど苦も無く来れたのは、きっと猛暑のせいだからであろう。そんなつまらん、長期休暇明けの出勤拒否など、毛頭頭に浮かべる余裕もないほどの暑さであった。
しかし不思議なもので、自分のデスクに座るなり、とたんになんら以前と変わりなく、動作も思考もすぐさまこれまで通りにしている。人間の性分というか習慣というかは、ありがたいような悲しいやらと、つくづく感じてしまう…

そんな朝の瞬間、ふと目を置くと、机上に封書が置かれていることに気がつく。開けてみると、一冊の書籍が入っていた。よく見ると『ビジュアル 近代日本の1000人』とあり、そういえば以前、写真協力したことがあったなあ、と記憶の琴線がかすかに響いた。

急いで開けて、賀川の名を探す。すると「あった」!まだ誰もいない、朝早い事務室の個室状態でかすかな喜びの声をあげてしまう。大正デモクラシーのところにたしかに掲載されている。かなり正確な記述内容であり、しかも資料館の写真まで一緒に掲載されているではないか!(資料提供の協力したのだから掲載されていて当たり前なのだが…)

猛暑の朝の嬉しい知らせに、一服の清涼感を覚えた一瞬である… 同書は、なかなかよくできた、人名データベースなので、是非お近くの書店でお求めいただきたい一冊である。
img023.jpg(画像が粗くてすみません、あとは書店で実物をご覧ください。)


    img024.jpg











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プロフィール
HN:
賀川資料館 学芸員 杉浦秀典
年齢:
59
性別:
男性
誕生日:
1964/10/06
職業:
博物館学芸員
趣味:
資料整理、バイク
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