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賀川豊彦記念 松沢資料館の学芸員による雑記帳です。仕事上の出来語や、最新のイベント情報などを掲載します。(個人的な見解であり、資料館としての公式な見解ではありません。)
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5987d75a.jpg左の写真は、労働組合、自治労で発行している、『自治労通信』である。
この度刊行された7・8月号の誌面に、国際連帯税の記事が掲載された。

以前、当ブログでもご紹介した、今年4月24日に開催された、記念講演会・シンポジウムの一コマも掲載されている。ベストセラー『世界がもし100人の村だったら』の著編者である池田香代子さんも中央に写っており、他にも当日はそうそうたる各方面でご活躍中のNGOの皆さまがご登壇された。よく見るとその一番左端の司会をしているのは、どこかで見たことある人物が…    

よろしければ、ご参照下さい!
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昨日、当館館長より、6/20付のクリスチャン新聞を手渡された。その12面に、貧困問題にかかわるNGOで活躍する日本人女性の記事があったのだが、本文を読むと、なんとそのNGOを立ち上げた、ニュージーランド人宣教師ビブ・グリッグ師は、賀川豊彦の生き方への尊敬の思いから、NGOを立ち上げたとのことである。

賀川に影響をうけて、賀川精神の実践をしている、まだ見ぬ兄弟たちが世界にはいたのだ!さっそくスタッフによるコンタクトを始めている。

グリッグ師がリーダーをつとめる、Servants to Asia's Urban Poor は、アジアの貧しい人々が暮らす地域へ行き、「全人格的に人を愛し、共に生きる」ことを実践する団体である。同紙によれば、フィリピン、インドネシア、カンボジア、カナダ、インドへチームを派遣し、北アメリカ、アーストラリア、ニュージーランド、イギリス、フィリピン、スイスにオフィスを置いている。グリッグ氏は、1972年にフィリピンのスモーキーマウンテンを訪れた体験と、賀川豊彦の生き方に対する尊敬の思いが同団体設立のきっかけになったという。詳細は、下記URLをご覧頂きたい。
http://www.servantsasia.org/index.php?option=com_content&view=section&layout=blog&id=6&Itemid=16&lang=en

上HPには、グリッグ師のビデオがアップされている。しかもそのタイトルはなんと、”Cooperative Economics”とあるではないか!!!

ユーチューブはこちら→
http://www.youtube.com/watch?v=zGSl23QmOPA&feature=player_embedded

英語がご堪能な方はすぐにご覧頂きたい。また、当館スタッフによる要旨翻訳をすでに手配中である。完成次第、本ブログへ掲載しよう。

それにしても、賀川精神の裾野の広がりは、実に世界的な規模であるとつくづく考えさせられる…
以前も触れたことがあったが、賀川関係団体での連絡会などができたらありがたいと、このブログに書いたことがあった。それが現実のこととなった。『賀川豊彦関係団体・協同組合連絡協議会』という呼称で発足の準備が始まった。昨年の賀川豊彦献身100年記念事業が成功裏に終わり、その余波がこうして発展的なステージを生み出したのだといってよいのかもしれない。

去る6月2日にこのための準備的な会合がもたれ、まずは10団体で発足させ、その後各地の協同組合や関係する団体へ呼び掛けることとなっている。交流と親睦をはかり、協働で社会へ向けて働きかけ、賀川精神を現代に継承するような性格の団体である。まだ今後どのような展開になるかは、全くの未知数だがぜひ期待して参加してゆきたい。

以下、準備段階での参加団体
(アイウエオ順)

<協同組合>
共栄火災海上保険株式会社
全国共済農業協同組合連合会(JA共済)
全国労働金庫協会(労金)
全国労働者共済生活協同組合連合会(全労済)
日本コープ共済生活協同組合連合会
日本生活協同組合連合会

<関係団体>
賀川記念館(神戸)
(財)国際平和協会
鳴門市賀川豊彦記念館
(財)雲柱社 賀川豊彦記念松沢資料館


以上の10団体である。2012年には、国連で採択されている国際協同組合年があり、各種のイベントが開催される予定である。この連絡協議会でも、なにかのご協力ができれば幸いである。

世界連邦運動で推進している『国際連帯税』にも関連する大きなイベントが来月開催されます。国連ミレニアム開発目標(MDGs)について議論されるイベントです。まずはHPをご覧下さい!
 
人間の安全保障シンポジウム:人間の安全保障の過去・現在・未来~MDGs達成を目指して
日時:2010年7月15日(木)13:30-17:00(12:45開場)※途中休憩あり
場所:早稲田大学大隈講堂
 
主催:外務省、国際連合、早稲田大学(アジア太平洋研究科・グローバルCOEプログラム「アジア地域統合のための世界的人材育成拠点」)
後援:朝日新聞社
 
※入場無料、日英同時通訳あり
 
http://www.waseda-giari.jp/jpn/events/306


☆雑芸員も運営委員として参加している市民運動「アシスト(ACIST)」からも、メンバーが複数参加予定!

何年かまえに、とりたてて騒ぐほどのことではないが、内輪で話題になったことがあった。それは賀川の著名な詩集『涙の二等分』の中で、お石の世話をした賀川の心境を謳った節があまりに感動的で、読む者の涙を誘ってやまない。また映画でも、当時のあまりの過酷な貧困ゆえの非人間的行為の犠牲者の代表として描かれていたお石、これもまた正視に堪えないほど痛ましく、気がつけば、目じりからまつ毛を焦がすほどの熱いしずくがこぼれおちたものである… しかし…しかし、あのお石は、実は生きていた!ということに皆驚いたのだった!

これは賀川自身もどこかで書いており(探し出せない…)、象徴的な意味でお石を死なせた設定であったくだりがあったような記述を覚えているが、正確に思い出せない。

今たしかめられる記述では、村島帰之の記述だけである。

『【…】賀川は泣きながらお石の世話をした。その時の心境が『涙の二等分』につぎのごとくうたわれている。
 ”お石がないて目が覚めて、~(「涙の二等分」からの引用文、ここでは省略)
 
 お石は死ぬべきところを助かって今も関西にいる。もう四十歳ぐらいになっているだろう。こうした経験によって、彼は人間の堕落を嘆かずにはいられなかった【…】」
                          
              『吾が闘病』今吹出版社版pp.168-169 初版発行1940年 
 
なんとここに村島によって、お石があの場面で実は、死んでいなかったということがはっきり書かれているではないか!!


一方、『黎明を呼び醒ませ』(全集22巻)内、のエッセイ、「『死線を越えて』を書いた動機」という中で、賀川はこんなこんなことも書いている。

「【…】何時かも有島武郎氏が云っていたやうに、小説は小説であるけれども、事実以上の真実さがあるのださうです。私も有島君の流儀で、このあたり許して頂きましょう。【…】」(同掲p.202)

この直前で賀川は、「死線を越えて」のモデルについて、言えない多くの事情があると言っている。なるほど、なんとも意味深な言葉であると、お石の件を思いながらパラレルに考えてしまう…

さて私たちはここで、「ひどい、流した涙を返せ!」とか、「感動した心をどうしてくれるんだ!」とか、言うべきなのだろうか?どう受け止めればよいのだろうか?文学とか事実とか真実いうことを、もう一度考えねばならないのではあるまいか。

もちろん様々なご意見が出てくるであろうが、そんな賀川の文学をご一緒に再考するイベントが秋に開催される。前回お伝えしたが、まずは決まった内容だけ、お知らせしませう。乞うご期待!!

<賀川豊彦没後50周年記念 講演会・シンポジウム>
テーマ 「賀川豊彦の文学-その作品的価値を問う-」(仮)

Ⅰ 講演会 日 時: 2010年10月23日(土)14:00~16:30
         会 場: 世田谷文学館 ホール 
         講演者: 太田治子氏(作家)
        挨 拶: 菅野昭正氏(世田谷文学館館長)  
Ⅱ シンポジウム  日 時: 2010年10月24日(日)14:00~16:30
            会 場: 世田谷文学館 ホール 
    シンポジスト: 田辺健二氏(鳴門市賀川豊彦記念館館長、鳴門教育大学名誉教授)
            : 森田 進氏(恵泉女学園大学名誉教授、詩人)
            : 濱田 陽氏(帝京大学文学部准教授)
     司会進行 : 加山久夫(賀川豊彦記念松沢資料館館長、明治学院大学名誉教授)

※9月くらいから、受付する予定です。近づきましたら、HPをご確認ください。

以上(雑)
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プロフィール
HN:
賀川資料館 学芸員 杉浦秀典
年齢:
59
性別:
男性
誕生日:
1964/10/06
職業:
博物館学芸員
趣味:
資料整理、バイク
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