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賀川豊彦記念 松沢資料館の学芸員による雑記帳です。仕事上の出来語や、最新のイベント情報などを掲載します。(個人的な見解であり、資料館としての公式な見解ではありません。)
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上の写真は、7/13-14と参加してきた宮城での資料レスキューの時のものである。
資料レスキューは、これで二回目の参加であるが、今回は5月に被災民家の泥出し作業をさせて頂いた時と同じく亘理町の荒浜地区である。 古民家の蔵に眠っていた貴重資料の搬出と保全を行うのが目的であるが、当日は宮城資料ネットというNPOのボランティ員として参加させて頂いた。

ところが、現地についてみると、本日は人数が多いので、搬送後の資料の整備をするかどうかということであった。とはいえ、ひとまず現場に行ってみるのだが、なんと文化庁の呼び掛けで、日本博物館協会や文化財研究所などが合同で、大規模な資料レスキューを行っていて、そこに小生らも急遽合流することになったのである。

日本中の文化財・資料取り扱いの専門家が、これほど一同に会して作業することは、それほど有るものでもないだろう。学芸員冥利に尽きる、光栄な作業現場であった。しかも、奈良文化財研究所からは、高松塚古墳の発掘時に活躍した、特殊車両も駆けつけていた。万全を期しての作業である。

古文書などの他、近代文学者の手稿、手紙なども各種運び出した。驚いたのは、あの大震災の時の津波で蔵の中が海水につかったのだが、その時の海水が未だに引き出しの中に残っていたのである。すでに発酵して悪臭を放っていたが、その中に貴重な資料が浸かっていたのである。丁度、専門家が来ていたので、検討の結果郷土資料館へ運び込んでから蒸留水で洗浄し、その後に凍結乾燥する手はずとなった。

翌日には、涌谷町というところで、同じく資料のレスキューを行ったのち、夕刻、帰路についた。
今後も微力ではあるが、お役に立てることをさせて頂けたらと願っている。


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プロフィール
HN:
賀川資料館 学芸員 杉浦秀典
年齢:
59
性別:
男性
誕生日:
1964/10/06
職業:
博物館学芸員
趣味:
資料整理、バイク
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