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賀川豊彦記念 松沢資料館の学芸員による雑記帳です。仕事上の出来語や、最新のイベント情報などを掲載します。(個人的な見解であり、資料館としての公式な見解ではありません。)
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今朝は、昨晩の雪がだいぶ解け、あまり名残雪の風情もないようなので、少し早めに家を出ると、出勤前のひと時、歴史散策の寄り道をしに出かけてみた。とはいえ、賀川関係の史実についてである。
d564455a.jpg
昨年、隣の桜上水の街に住んでいた、タッピングさんご一家を記念して、「タッピング坂」と命名して、標識を出しますということをお聞かせ頂いたが、その確認に行ってみるとすでに標識が立っていた。左の写真であるが、立派な標識である。坂の様子は下の写真である。



9989ea25.jpgよく見かける街並みであるが、ここらあたりにタッピング家がお住まいだったのある。
父のヘンリー・タッピングは、宮沢賢治の「岩手公園」という詩にもうたわれているが、盛岡で英語教師として活躍した宣教師である。先祖は、英国から首に賞金を懸けられた非国教徒であり、領地を没収され渡米したとのことである。(『タッピング家の人々』小林功芳著)。母のジュネーブ・タッピングは、ドイツのライプチヒで音楽を学んで後、ヘンリーと結婚した。来日後、盛岡幼稚園に貢献した。(『ジュネーブ・F/タッピングの幼稚園事業』大島良雄著)娘のヘレンは賀川のペンとなり、英文で世界へ賀川のメッセージを発信する際に欠かせなかった人物である。これらの戦前、戦中にさえも活躍をしたご一家をたたえて、町の記憶として残そうと、桜上水の皆様が運動して下さったのである。関係者として感謝の限りである。
DSC_0073.JPG
三枚目の写真は。坂を上りきったところの写真である。奥に見える空間が線路上である。ゆうやけ坂という通りとぶつかるところから、タッピング坂が始まるのである。夕暮れ頃に散歩するのに、なんとも風情が漂う雰囲気ではないだろうか。毎年、学芸員実習生を迎えて、展示企画や、近隣のお地蔵さんなどを見て歩く史跡めぐりツアーなどの企画を作ってもらっているが、次回からは賀川関係のツアーができそうである。


なお、途中不思議な光景を目の当たりにしたので、ご紹介したい。
DSC_0066.JPGなんと昨晩降った雪が、朝になると程よくやわらかくなって、めくれ、しかもロール状になっているではないか!偶然、条件が重なってみられた瞬間的な自然芸術である。しかも、一件のみなならず、複数ある!!

この現象がここ特有のものなのか、よく見られるそれほど珍しくないものなのか分からないが、とにかく、朝の歴史探索にまるで御褒美でも用意してくれていたかのように、おいしそうな嬉しい光景であった!

DSC_0098.JPG小生が洋菓子職人ならば、きっとこの光景からヒントを得て、「せたがや・タッピングロール」とかなんとかといって、新製品を考えていたであろうに…などと思い耽りつつ、足早に職場に向けいく。至福な朝のひと時に感謝である。


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ロスアンゼルスの羅府新報(現地日本語新聞)に水城ジョン先生が記事を寄せられたと、ロス在住で昨年『死線を越えて』上映会のお世話をして下がったかたより情報が届いた。リアルタイムで賀川豊彦に触れた方の貴重な証言である。以下転載させて頂きたい。

『羅府新報』2月4日付(第31.548号) 
南加キリスト教教会連合 
フリーメソジスト引退牧師 水城ジョン

「愛の人」

 昨年は、賀川豊彦先生が神戸新川のスラムに入ってちょうど100年であって、それを記念した映画も作られ、方々で上映された。わたしはそれを見て、賀川先生が1953年ブラジル伝道に行かれた時、通訳をするため、3カ月あまり、旅を一緒にさせていただいた時のことを思い起こし懐かしかった。貧しい人々の友となって、スラムの中で15年間伝道と奉仕に身を投じて労された先生の愛はどこからきたのだろうか。
 先生が講演の中でよく話されたことは、「わたしは青年時代、自分は猿の進化したものだと思っていたが、結核を患って喀血していた頃、ローガン宜教師が、夫人がアメリカに帰っておられた期間、私を抱いて寝て下さった。その時、私は降参してイエス・キリストを信じた」と。その後、サーカスで働いていた一青年が、寝る所がないと言ってローガン先生の所に来た。ローガン先生は彼に、「何日でも、何カ月でも、何年でも私の処で寝なさい」と言われた。それを聞いた青年は大声を上げて泣いた。それを見ていた賀川先生は、大いに感動し、自分もローガン先生のような愛の人になりたいと思われた。
 また、ロンドンのスラムに入って、貧しい人たちのため愛の奉仕をしたアーノルド・トインビ(歴史家アーノルド・トインビの叔父)の伝記を読んで、新川のスラムに入る決心をしたと話しておられた。賀川先生が愛の人であることは読んだり聞いたりして知っていたが、先生と旅をしながらその事実をわたしは自分の目で見た。ひとつは、レストランで食事をしてウエイターにチップをやる場合、ブラジルでは10パーセントが普通であるが、先生は20パーセントも30パーセントもやっておられた。また、ポーターにも同じようにして、 「この人たちの貸金は安いから私はそうするのだ」と言っておられた。このように細かい所にまで心を配って同情を示す敏感さをもっておられた。
 これを見てわかることは、愛の人とは人に愛された人であり、人間は愛されて、初めて人を愛する事が出来るのである。愛されたことのない人は、人を愛する事は出来ない。愛の本源である神(神は愛なりと使徒ヨハネは言った)に愛されたローガン先生は賀川先生を愛し、ローガン先生に愛された賀川先生は新川のスラムの貧しい人々を愛されたのである。賀川先生はまさしく愛の人であった。私は先生を心から尊敬している。
(フリーメソジスト引退牧師)
今月は、雑芸員が発起人の一人に加えて頂いている、アーキビストサポート主催の「アーキビストカフェ」が久しぶりに開催される。業界人同士での、相互情報交換と親睦を兼ねた開合でとても好評を博している。図書館、専門図書館、博物館、郷土資料館、文書館などの職員が多いが、関連する企業関係者の方も多数ご参加下さっている。アーカイブズにご関心のある方は、是非ご参加を!

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アナウンスが遅くなりましたが、ひさびさ、アーキビスト・カフェを開催します。

第8回 アーキビスト・カフェ
「岩田社長、《岩田書院ブックレット・アーカイブズ系》を語る」

日時:2010年2月27日(土) 午後5時30分から7時30分
場所: 賀川豊彦記念・松沢資料館
来館のご案内URL:http://zaidan.unchusha.com/information.html
話題提供:岩田 博さん(㈲岩田書院代表)+安藤正人さん(ブックレット著者)
参加費: 500円(会場費を含む) 定員30名
要申込み(2/23までにメールにて右記へ):asj※zj8.so-net.ne.jp ASJ事務局まで(※は半角のアットマークです)

 再開第1回は、以前から是非お話を伺いたかった岩田さんに登場いただきます。ご存じ「岩田書院ブックレット・アーカイブズ系」は、小川千代子さん『情報公開の源流』(1996年刊)から現在まで14冊。さまざまな切り口の情報を私たちに届けてきてくれました。その感謝の意も込めて、岩田さんからご苦労談などをお聞かせいただきます。

 併せて、昨年末シリーズ2冊目となる『アジアのアーカイブズと日本』を昨年上梓された安藤正人さん(学習院大)からも著者の立場からコメントをお願いしています。
 これからのシリーズの著者候補の皆さん(今までお書きになった著者の皆様も)、是非ご参加ください。


世界連邦でお世話になっている、木戸氏より連絡が入り、この度発足される「友愛公共フォーラム」の開催が決まったので、周知を依頼された。下記ご案内申し上げます。

尚、登壇者は、これまでこのブログでも何回か触れた関係者が多いので、私も大変うれしく感じている。ご関心のある方は、是非お申込み頂きたい。      以上

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友愛公共フォーラム発足記念シンポジウム

 「友愛と公共という新たな政治の地平」
  〜 55年体制を真に超えるために 〜

開催趣旨:
 日本政治史上、初の本格的政権交代が実現し、新政権は「友愛」や「新しい公共」という優れた理念を政権の考え方(公共哲学)として掲げています。この政治的大転換は、明治維新直後の大変革の開始にたとえられるでしょう。これは、単に政権交代の実現にとどまらず、古い政治的枠組みを超えて、「友愛公共」の理念のもとで、21世紀における新しい政治を切り開く可能性を持つからです。
 そこで、私たちは「友愛公共フォーラム」を結成し、これらの理念と政策をめぐって継続的にシンポジウムを開催し、その内容を公表してゆくことにしました。これは、友愛や公共という理念を中軸にした良質の公共圏を形成して公論を発展させる試みです。これは、昨年11月のシンポジウム「友愛政治の理念とその可能性―コミュニティをつなぐもの」や、12月のシンポジウム「友愛と核廃絶『スピリチュアリティと平和』」を受けて、議論をさらに本格的に展開させていくことを目指しています。 

 このフォーラムの発足を記念して、第1回シンポジウムを以下のように開催します。友愛や「新しい公共」という理念とその政治的意味を正面から議論します。施政方針演説では、「新しい公共」が大きく打ち出され、円卓会議を開いて、5月までに具体的な提案をまとめることが明らかにされました。その関係者も含めて議論を行います。ご多忙の折とは存じますが、ご参集いただければ幸いです。

◆日 時
  2010年 2月14日(日) 10:00 ~ 18:00

◆会 場
  東京大学医科学研究所1号館大講堂
   東京都港区白金台4-6-1
   最寄駅:東京メトロ南北線・都営地下鉄三田線 白金台駅
   アクセスマップ
   http://www.ims.u-tokyo.ac.jp/imsut/jp/access/access/
   キャンパスマップ
   http://www.ims.u-tokyo.ac.jp/imsut/jp/access/campus/
◆参加費  1,000円
  定員は160名で、先着順で定員に達し次第、申込は締め切らせて頂きます。

◆プログラム概要
開会の挨拶 
10:00−10:10 小林正弥(千葉大学教授)

【第一部(午前)】 
第1セッション / 「新しい公共」
10:10−11:00 山脇直司(東京大学大学院教授)
11:00−11:50  鈴木寛 (参議院議員 文部副大臣)
                      松井孝治(参議院議員 内閣官房副長官)
11:50−12:00  質疑応答

【第二部(午後)】 

第2セッション / 「友愛と公共圏」 
13:00−13:50 小林正弥(千葉大学教授)
13:50−14:40 根本清樹(朝日新聞論説副主幹)
14:40−15:00 質疑応答

15:00−15:15 休憩

第3セッション/ 「友愛の精神を持って新たな公共圏で活動する人々」
15:15−16:05 金子郁容(慶應義塾大学大学院教授)
16:05−16:35 土井香苗(国際NGO ヒューマンライツウォッチ 日本代表)
16:35−17:05 木戸寛孝(国際NGO 世界連邦運動協会 理事)

最終セッション/ 会場の参加者との対話
17:10−17:50 ナビゲーター:鈴木寛(参議院議員 文部副大臣)

  シンポジウム参加者 境田正樹(弁護士)
            小松秀樹(虎の門病院泌尿器科部長)
            池本修悟(NPO事業サポートセンター 専務理事)
            古田秘馬(丸の内朝大学 プロデューサー)
            佐藤孝治(株式会社ジョブウェブ社長)
            ほか多数

開会の挨拶 
17:50−18:00 山脇直司(東京大学大学院教授)

   総合司会  木戸寛孝 (友愛公共フォーラム 事務局長)

◆お申し込み方法

下記申し込みフォームに必要事項をご記入の上、ご送信下さい。
e-mail : info.ui.koukyo@gmail.com
◆主 催  友愛公共フォーラム
◆協 力 公共哲学ネットワーク


----------お申し込み---------------

※ 該当項目について下記にご記入の上、ご返信下さい。
※ マスコミ関係者の方には、マスコミ用の席を20席用意しております。
※  送信先 info.ui.koukyo@gmail.com

友愛公共フォーラム事務局宛  受付担当:成田好孝

2010年2月14日 友愛公共フォーラム発足記念シンポジウム
 
・ご氏名
・ご所属
・連絡先
・ご同伴者:人数、氏名、連絡先

会場にお越しの際は、お名刺を頂戴させて頂きます。

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◆受付、お問合せ窓口  

友愛公共フォーラム事務局 担当:木戸寛孝 成田好孝

〒150-0002
東京都渋谷区渋谷2-7-9 青山AZITO 
電話:03-6427-3780
FAX:03-6427-3781
e-mail : info.ui.koukyo@gmail.com
「エコノミスト」誌に、当財団理事であり、青山学院大学教授の本間照光先生の記事が掲載された。朝、本間先生よりご連絡を頂いた。
52ページから、『 「貧困の時代」に蘇る賀川豊彦の思想 「貧民街の聖者」賀川豊彦の活動開始から100年。その思想が再び見直される時代がやってきた。 』 となっている。
さっそく書店から購入したところ、なんと4ページにわたって、掲載されているではないか!一般週刊誌でこれだけ広いスペースを割いて賀川の記事を扱ったのは、これまであっただろうか。ぜひ、お買い求め頂きたい。
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プロフィール
HN:
賀川資料館 学芸員 杉浦秀典
年齢:
59
性別:
男性
誕生日:
1964/10/06
職業:
博物館学芸員
趣味:
資料整理、バイク
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