賀川豊彦記念 松沢資料館の学芸員による雑記帳です。仕事上の出来語や、最新のイベント情報などを掲載します。(個人的な見解であり、資料館としての公式な見解ではありません。)
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先日、ひさしぶりにDVDを見る機会があった。それほど映画好きというわけでもないし、凝った映画批評ができるわけでもないので、いつも選ぶものといえば、店側が並べていてくれる新作の棚から物色して、適当に選ぶにすぎないのだが、たまたま博物館が舞台というだけで、『ナイトミュージアム2』という作品を見てみた。
すでに第一作を見ていたので、だいたい一作目が当たった場合、続編は期待外れがあるように偏見を抱いてしまうせいか、それほどの思い入れもなしにぼんやり見ていたが、なかなかおもしろかった。
すでにご覧になっておられるかたには蛇足だが、内容はあるN.Y.の自然史博物館を舞台に、たまたま夜間警備員に雇われた主人公が、夜の博物館で展示物が動き出して、それらとやり取りするという、荒唐無稽なファンタジーである。至ってナンセンスなテーマに過ぎないのだが、これがまた不思議なほどはまってしまう。自分の関係する業界ということが関心の根にあることはたしかだが、劇中に繰り出す、展示品一つ一つが個性あふれるキャラを発揮してくれて、人間と同次元でどたばたするのがなんともたまらない。しかも学芸員だとか館長だとかはむしろ脇役で、本当に展示物のことを理解しているのがそういった運営者でなく、誰もいない時間に苦労して見回りをしている人物こそが、実は本当に展示物らの理解を出来るのだというところがおもしろいのである。
すでに第一作を見ていたので、だいたい一作目が当たった場合、続編は期待外れがあるように偏見を抱いてしまうせいか、それほどの思い入れもなしにぼんやり見ていたが、なかなかおもしろかった。
すでにご覧になっておられるかたには蛇足だが、内容はあるN.Y.の自然史博物館を舞台に、たまたま夜間警備員に雇われた主人公が、夜の博物館で展示物が動き出して、それらとやり取りするという、荒唐無稽なファンタジーである。至ってナンセンスなテーマに過ぎないのだが、これがまた不思議なほどはまってしまう。自分の関係する業界ということが関心の根にあることはたしかだが、劇中に繰り出す、展示品一つ一つが個性あふれるキャラを発揮してくれて、人間と同次元でどたばたするのがなんともたまらない。しかも学芸員だとか館長だとかはむしろ脇役で、本当に展示物のことを理解しているのがそういった運営者でなく、誰もいない時間に苦労して見回りをしている人物こそが、実は本当に展示物らの理解を出来るのだというところがおもしろいのである。
勿論、映画の質的なウンチクを筆者は語る気もないし、そんな力量もない。しかし、この映画には安心して楽しめる家族向けの娯楽ムービーという以上の、なにか博物館関係者には投げかけるものがあるように感じてならないのだ。
以前見た『ナショナルトレジャーズ』という作品でも、アメリカ国立公文書館が登場して、厳重な管理の『独立宣言書』を盗むという、実際の素材をうまく駆使した内容を楽しませてもらった。結構そちらも面白かった。それ以来、本物のNARA(米国国立公文書館)では、「独立宣言書の裏にはなにも書いてありません」、といったユーモアあふれる内容がHPのトップにあったのだが、さすがに公文書館が市民になじんでいるんだなあ、と感心したものである。ハリウッド映画の舞台になるほど、米国民には文書館、博物館は一般的なのだろう。背景にも中心舞台にも出来るほど、当然のように社会になじんでいることには羨望を抱いてしかたない。
少々脱線してしまったが、先ほどの「ナイトミュージアム」シリーズが、ファンタジーながらも、博物館に携わるものに語りかけるのは、「ありありとした現実に思えるほど展示物にほれ込んでいるか?」、あるいは「そこまで沈潜して資料と語り合っているのか?」と、問われているように思えてならないのである。
勝手な解釈を滑り込ませてしっているだけなのかもしれないが、もっと資料と向き合い、その資料の背後にある歴史をリアルに思えるぐらい、空想の世界でコミュニケーションが出来たら、きっと展示のありかたも変わってくるのに違いない…、などと思い浮かべる時間であった。
勿論、自館にガイコツやら、理科室の人体標本がないことに不思議な安堵も、正直感じてはいるのだが、まだまだ修行がたりないのかもしれないなあ…
以前見た『ナショナルトレジャーズ』という作品でも、アメリカ国立公文書館が登場して、厳重な管理の『独立宣言書』を盗むという、実際の素材をうまく駆使した内容を楽しませてもらった。結構そちらも面白かった。それ以来、本物のNARA(米国国立公文書館)では、「独立宣言書の裏にはなにも書いてありません」、といったユーモアあふれる内容がHPのトップにあったのだが、さすがに公文書館が市民になじんでいるんだなあ、と感心したものである。ハリウッド映画の舞台になるほど、米国民には文書館、博物館は一般的なのだろう。背景にも中心舞台にも出来るほど、当然のように社会になじんでいることには羨望を抱いてしかたない。
少々脱線してしまったが、先ほどの「ナイトミュージアム」シリーズが、ファンタジーながらも、博物館に携わるものに語りかけるのは、「ありありとした現実に思えるほど展示物にほれ込んでいるか?」、あるいは「そこまで沈潜して資料と語り合っているのか?」と、問われているように思えてならないのである。
勝手な解釈を滑り込ませてしっているだけなのかもしれないが、もっと資料と向き合い、その資料の背後にある歴史をリアルに思えるぐらい、空想の世界でコミュニケーションが出来たら、きっと展示のありかたも変わってくるのに違いない…、などと思い浮かべる時間であった。
勿論、自館にガイコツやら、理科室の人体標本がないことに不思議な安堵も、正直感じてはいるのだが、まだまだ修行がたりないのかもしれないなあ…
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