賀川豊彦記念 松沢資料館の学芸員による雑記帳です。仕事上の出来語や、最新のイベント情報などを掲載します。(個人的な見解であり、資料館としての公式な見解ではありません。)
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4月に「死線を越えて」を再版して頂く予定の、PHP研究所より賀川豊彦関係書籍が刊行される。
神戸大学大学院の滝川好夫先生の書き下ろしである。写真をご覧いただけるとお分かりの通り、帯には「賀川豊彦の経済学から学ぶべきこと」と打ってある。一般書の表紙に”賀川豊彦”と書かれるのは、久しいのではないだろうか。
序文(はじめに)には、「~本書は、「倫理の欠如」や「道徳の欠如」が金融・経済や生活を駄目にしている。つまり「道徳の欠如が日本の金融・経済を駄目にしている』、『道徳の欠如が日本人の生活を窮乏化している』という認識のもとで、道徳がいかにして日本の経済社会を再生するかを論じています。日本経済や日本の生活を再生させるには「道徳」が重要であることを主張したいと思います。」 とある。ここを読むだけでも、今のご時世には、大変刺激的な内容であろう。
とにかく中身は、賀川の思想がぎっしり紹介してあるので、ご関心のある方は、ご購入頂けたらと願う。 (本体1500円)
神戸大学大学院の滝川好夫先生の書き下ろしである。写真をご覧いただけるとお分かりの通り、帯には「賀川豊彦の経済学から学ぶべきこと」と打ってある。一般書の表紙に”賀川豊彦”と書かれるのは、久しいのではないだろうか。
序文(はじめに)には、「~本書は、「倫理の欠如」や「道徳の欠如」が金融・経済や生活を駄目にしている。つまり「道徳の欠如が日本の金融・経済を駄目にしている』、『道徳の欠如が日本人の生活を窮乏化している』という認識のもとで、道徳がいかにして日本の経済社会を再生するかを論じています。日本経済や日本の生活を再生させるには「道徳」が重要であることを主張したいと思います。」 とある。ここを読むだけでも、今のご時世には、大変刺激的な内容であろう。
とにかく中身は、賀川の思想がぎっしり紹介してあるので、ご関心のある方は、ご購入頂けたらと願う。 (本体1500円)
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新しい年が良き年であるよう、今年も祈りから始めたい。
さて、昨年報告したことがあるが、国際連帯税の市民委員会が昨年12/13土曜日に開催された。雑芸員は、午前午後と、つくば市で開催された全国学生生協大会に出ていた。出品した賀川パネル展設置のため同地を訪れていたのだが、夕刻からは同委員会にはせ参じた。
各界の識者、活動家を含めた市民からの声を法案へ反映さえるための準備過程であったが、その際進行をオルタモンドのスタッフと共にして下さった、千葉大学大学院の上村先生から、とても感銘深い新年のあいさつメールが届いたので、以下ご紹介したいと思う。
尚、当日の市民委員会にて、世界連邦運動協会が今法案に関する市民委員会の事務局を名乗り出て、積極的な活動を始めているので、賀川関係者の皆様にも是非ご理解とご支援、ご協力を頂けたらと願うところである。この活動に対しては、個人的には賀川精神の実践のひとつと捕らえている。もちろん「グローバル」という言葉自体に複雑な意味作用もあるのは承知している。しかしながら一市民の国際貢献と自覚的に捕らえて参与をしているのであり、その点を汲み取っていただけたら幸いである。
さて、昨年報告したことがあるが、国際連帯税の市民委員会が昨年12/13土曜日に開催された。雑芸員は、午前午後と、つくば市で開催された全国学生生協大会に出ていた。出品した賀川パネル展設置のため同地を訪れていたのだが、夕刻からは同委員会にはせ参じた。
各界の識者、活動家を含めた市民からの声を法案へ反映さえるための準備過程であったが、その際進行をオルタモンドのスタッフと共にして下さった、千葉大学大学院の上村先生から、とても感銘深い新年のあいさつメールが届いたので、以下ご紹介したいと思う。
尚、当日の市民委員会にて、世界連邦運動協会が今法案に関する市民委員会の事務局を名乗り出て、積極的な活動を始めているので、賀川関係者の皆様にも是非ご理解とご支援、ご協力を頂けたらと願うところである。この活動に対しては、個人的には賀川精神の実践のひとつと捕らえている。もちろん「グローバル」という言葉自体に複雑な意味作用もあるのは承知している。しかしながら一市民の国際貢献と自覚的に捕らえて参与をしているのであり、その点を汲み取っていただけたら幸いである。
早いもので、もう11月も終盤を迎えている。お読みいただいている皆様には大変感謝であるが、資料館業務の日ごろの姿を見えるようにしたいと発心しながらも、筆者の力量不足で思うように記述が間に合わず歯がゆい思いである。先月から今月にかけての報告未了トピックについて、急ぎでお伝えしよう。しかしながら、時系列の列挙だけであるので、あまり面白くないかもしれないがご参考になればと願う。
国際連帯税のシンポジウムが、東京税理士会館にて開催された。11/22に専門家会合、11/23にはシンポジムが開かれ、熱い討議が繰り広げられた。筆者も世界連邦関係者よりご案内を受け参集した。
基調講演には、テレビなどでもコメンテータータとしてご活躍の、寺島実郎氏が語られ、世界的な政治の構図や金融資本主義への警鐘が講演され、国際連帯税の必要性へとつなげて頂いた。午後には、各界の識者の方々に、パネリストトとして前に出てご報告およびディスカッションして頂き、官僚の方までご参加のそうそうたる顔ぶれの熱弁をお聞かせ頂いた。
国際連帯税とは、国際金融危機、世界的な貧困、地球環境問題などへの対応する、解決策として昨今注目される新しい「税」のことである。2005年に途上国開発のためにフランスやブラジルなどが中心になって提唱し、航空券連帯税が導入され、その後通貨取引税、炭素税、武器取引税といった提案がされている。日本でも2008年2月に「国際連帯税創設を求める議員連盟」が結成され、日本政府の導入も世界から期待されている。呼びかけ人、賛同団体も多岐にわたり、今後の動向が注目される。詳細は下記URLをご覧いただきたい。
http://blog.goo.ne.jp/global-tax/e/935f599f61c62fec06d23b37aa122d93
基調講演には、テレビなどでもコメンテータータとしてご活躍の、寺島実郎氏が語られ、世界的な政治の構図や金融資本主義への警鐘が講演され、国際連帯税の必要性へとつなげて頂いた。午後には、各界の識者の方々に、パネリストトとして前に出てご報告およびディスカッションして頂き、官僚の方までご参加のそうそうたる顔ぶれの熱弁をお聞かせ頂いた。
国際連帯税とは、国際金融危機、世界的な貧困、地球環境問題などへの対応する、解決策として昨今注目される新しい「税」のことである。2005年に途上国開発のためにフランスやブラジルなどが中心になって提唱し、航空券連帯税が導入され、その後通貨取引税、炭素税、武器取引税といった提案がされている。日本でも2008年2月に「国際連帯税創設を求める議員連盟」が結成され、日本政府の導入も世界から期待されている。呼びかけ人、賛同団体も多岐にわたり、今後の動向が注目される。詳細は下記URLをご覧いただきたい。
http://blog.goo.ne.jp/global-tax/e/935f599f61c62fec06d23b37aa122d93
11/21、二年越しで計画してきた、雲柱社三法人の記念会が行われた。会場は青山学院講堂にて。
当資料館の運営母体である、財団法人が1938年に発足して以来、本年で70年を迎える。当初は財団法人が保育園の福祉事業、幼稚園の学校事業を行っていたのであるが、戦後の法制化によってそれぞれ社会福祉法人雲柱、学校法人雲柱社と分化していった。しかしながら、もともとは賀川豊彦の精神と、財的にも賀川が基金を拠出して立ち上がった法人である。
時代が変わったからもう創業時代とは関係ない、と簡単にいうことはどこの事業体でまずないだろう。たしかに社会情勢は変わり、対応手段は新しくなるかもしれない。しかし常に創業者の理念に立ち返り、根底における考え方を自覚的に体現化することはいつの時代でも大切なことである。70年を経ても色あせない賀川の求めたもの、すなわち、自己犠牲をいとわずに、社会の必要に対して身を投げ出すこと、贖罪愛とか下座奉仕という価値観は、賀川の後継団体であるならば失っていけない精神である。同時にそこから今日の世界を見渡し、自らの立ち位置を確認することも大切である。70周年記念は単なる過去の顕彰ではなく、精神的遺産と事業的遺産を重く受け止め、改めて今日の課題について覚える節目であろう。同時に職員一同の求心力を寄せて一致を持とうとするための会合でもある。
当資料館の運営母体である、財団法人が1938年に発足して以来、本年で70年を迎える。当初は財団法人が保育園の福祉事業、幼稚園の学校事業を行っていたのであるが、戦後の法制化によってそれぞれ社会福祉法人雲柱、学校法人雲柱社と分化していった。しかしながら、もともとは賀川豊彦の精神と、財的にも賀川が基金を拠出して立ち上がった法人である。
時代が変わったからもう創業時代とは関係ない、と簡単にいうことはどこの事業体でまずないだろう。たしかに社会情勢は変わり、対応手段は新しくなるかもしれない。しかし常に創業者の理念に立ち返り、根底における考え方を自覚的に体現化することはいつの時代でも大切なことである。70年を経ても色あせない賀川の求めたもの、すなわち、自己犠牲をいとわずに、社会の必要に対して身を投げ出すこと、贖罪愛とか下座奉仕という価値観は、賀川の後継団体であるならば失っていけない精神である。同時にそこから今日の世界を見渡し、自らの立ち位置を確認することも大切である。70周年記念は単なる過去の顕彰ではなく、精神的遺産と事業的遺産を重く受け止め、改めて今日の課題について覚える節目であろう。同時に職員一同の求心力を寄せて一致を持とうとするための会合でもある。
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