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賀川に影響をうけて、賀川精神の実践をしている、まだ見ぬ兄弟たちが世界にはいたのだ!さっそくスタッフによるコンタクトを始めている。
グリッグ師がリーダーをつとめる、Servants to Asia's Urban Poor は、アジアの貧しい人々が暮らす地域へ行き、「全人格的に人を愛し、共に生きる」ことを実践する団体である。同紙によれば、フィリピン、インドネシア、カンボジア、カナダ、インドへチームを派遣し、北アメリカ、アーストラリア、ニュージーランド、イギリス、フィリピン、スイスにオフィスを置いている。グリッグ氏は、1972年にフィリピンのスモーキーマウンテンを訪れた体験と、賀川豊彦の生き方に対する尊敬の思いが同団体設立のきっかけになったという。詳細は、下記URLをご覧頂きたい。
http://www.servantsasia.org/index.php?option=com_content&view=section&layout=blog&id=6&Itemid=16&lang=en
上HPには、グリッグ師のビデオがアップされている。しかもそのタイトルはなんと、”Cooperative Economics”とあるではないか!!!
ユーチューブはこちら→
http://www.youtube.com/watch?v=zGSl23QmOPA&feature=player_embedded
英語がご堪能な方はすぐにご覧頂きたい。また、当館スタッフによる要旨翻訳をすでに手配中である。完成次第、本ブログへ掲載しよう。
それにしても、賀川精神の裾野の広がりは、実に世界的な規模であるとつくづく考えさせられる…
去る6月2日にこのための準備的な会合がもたれ、まずは10団体で発足させ、その後各地の協同組合や関係する団体へ呼び掛けることとなっている。交流と親睦をはかり、協働で社会へ向けて働きかけ、賀川精神を現代に継承するような性格の団体である。まだ今後どのような展開になるかは、全くの未知数だがぜひ期待して参加してゆきたい。
以下、準備段階での参加団体
(アイウエオ順)
<協同組合>
共栄火災海上保険株式会社
全国共済農業協同組合連合会(JA共済)
全国労働金庫協会(労金)
全国労働者共済生活協同組合連合会(全労済)
日本コープ共済生活協同組合連合会
日本生活協同組合連合会
<関係団体>
賀川記念館(神戸)
(財)国際平和協会
鳴門市賀川豊彦記念館
(財)雲柱社 賀川豊彦記念松沢資料館
以上の10団体である。2012年には、国連で採択されている国際協同組合年があり、各種のイベントが開催される予定である。この連絡協議会でも、なにかのご協力ができれば幸いである。
☆雑芸員も運営委員として参加している市民運動「アシスト(ACIST)」からも、メンバーが複数参加予定!
何年かまえに、とりたてて騒ぐほどのことではないが、内輪で話題になったことがあった。それは賀川の著名な詩集『涙の二等分』の中で、お石の世話をした賀川の心境を謳った節があまりに感動的で、読む者の涙を誘ってやまない。また映画でも、当時のあまりの過酷な貧困ゆえの非人間的行為の犠牲者の代表として描かれていたお石、これもまた正視に堪えないほど痛ましく、気がつけば、目じりからまつ毛を焦がすほどの熱いしずくがこぼれおちたものである… しかし…しかし、あのお石は、実は生きていた!ということに皆驚いたのだった!
これは賀川自身もどこかで書いており(探し出せない…)、象徴的な意味でお石を死なせた設定であったくだりがあったような記述を覚えているが、正確に思い出せない。
今たしかめられる記述では、村島帰之の記述だけである。
『【…】賀川は泣きながらお石の世話をした。その時の心境が『涙の二等分』につぎのごとくうたわれている。
”お石がないて目が覚めて、~(「涙の二等分」からの引用文、ここでは省略)
お石は死ぬべきところを助かって今も関西にいる。もう四十歳ぐらいになっているだろう。こうした経験によって、彼は人間の堕落を嘆かずにはいられなかった【…】」
『吾が闘病』今吹出版社版pp.168-169 初版発行1940年
なんとここに村島によって、お石があの場面で実は、死んでいなかったということがはっきり書かれているではないか!!
一方、『黎明を呼び醒ませ』(全集22巻)内、のエッセイ、「『死線を越えて』を書いた動機」という中で、賀川はこんなこんなことも書いている。
「【…】何時かも有島武郎氏が云っていたやうに、小説は小説であるけれども、事実以上の真実さがあるのださうです。私も有島君の流儀で、このあたり許して頂きましょう。【…】」(同掲p.202)
この直前で賀川は、「死線を越えて」のモデルについて、言えない多くの事情があると言っている。なるほど、なんとも意味深な言葉であると、お石の件を思いながらパラレルに考えてしまう…
さて私たちはここで、「ひどい、流した涙を返せ!」とか、「感動した心をどうしてくれるんだ!」とか、言うべきなのだろうか?どう受け止めればよいのだろうか?文学とか事実とか真実いうことを、もう一度考えねばならないのではあるまいか。
もちろん様々なご意見が出てくるであろうが、そんな賀川の文学をご一緒に再考するイベントが秋に開催される。前回お伝えしたが、まずは決まった内容だけ、お知らせしませう。乞うご期待!!
<賀川豊彦没後50周年記念 講演会・シンポジウム>
テーマ 「賀川豊彦の文学-その作品的価値を問う-」(仮)
※9月くらいから、受付する予定です。近づきましたら、HPをご確認ください。
以上(雑)
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