賀川豊彦記念 松沢資料館の学芸員による雑記帳です。仕事上の出来語や、最新のイベント情報などを掲載します。(個人的な見解であり、資料館としての公式な見解ではありません。)
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前回、尾崎行雄記念式のことをお伝えしたが、その式典の内容については触れてなかった。
当日は、夕刻6:00からの開催であったが、30分ほどまえに到着した。最近起きた殺傷事件の影響か常にそうなのかわからないが、物々しい警戒を印象づける国会議事堂を通り過ぎ、すっかり陽の暮れた中でも、煌々と明かりの灯された憲政記念館に到着した。
すでに受付がはじまり、ちょうど車で到着された、世界連邦運動協会会長で、参議院協会会長の植木先生に玄関先でばったり会い、ご挨拶を交わしつつロビーに入る。すると、すでに大物議員が来るせいか、複数の業界用大型カメラの視線を浴びせられる。どうも市井の庶民である自分には、どうふるまっていいのか戸惑うばかりのなか、逃げるように受付を済ませ、会場に入っていった。
会場は約500名ほどの入るところだが、ここでも背後と側壁には、報道関係者のカメラが蠢いている。あまりの多さに圧巻されるが、着席してしばらくした時、なんと来賓席には日野原重明先生が腰しかけられる姿を視界がとらえた。まだ開始までの余裕もあり、来年の献身100年記念事業のキックオフパーティのゲストとして、スピーチをお引き受け頂いている手前、きちんと挨拶をしに行くことにした。加山館長の挨拶に続いて、筆者も名刺を渡して、元の席で着座をする。その後定刻通りに記念会が始まった…
当日は、夕刻6:00からの開催であったが、30分ほどまえに到着した。最近起きた殺傷事件の影響か常にそうなのかわからないが、物々しい警戒を印象づける国会議事堂を通り過ぎ、すっかり陽の暮れた中でも、煌々と明かりの灯された憲政記念館に到着した。
すでに受付がはじまり、ちょうど車で到着された、世界連邦運動協会会長で、参議院協会会長の植木先生に玄関先でばったり会い、ご挨拶を交わしつつロビーに入る。すると、すでに大物議員が来るせいか、複数の業界用大型カメラの視線を浴びせられる。どうも市井の庶民である自分には、どうふるまっていいのか戸惑うばかりのなか、逃げるように受付を済ませ、会場に入っていった。
会場は約500名ほどの入るところだが、ここでも背後と側壁には、報道関係者のカメラが蠢いている。あまりの多さに圧巻されるが、着席してしばらくした時、なんと来賓席には日野原重明先生が腰しかけられる姿を視界がとらえた。まだ開始までの余裕もあり、来年の献身100年記念事業のキックオフパーティのゲストとして、スピーチをお引き受け頂いている手前、きちんと挨拶をしに行くことにした。加山館長の挨拶に続いて、筆者も名刺を渡して、元の席で着座をする。その後定刻通りに記念会が始まった…
記念会では、大物の議員が名を連ねていた。最初に衆議院議長の河野洋平氏が、そして、参議院議長の江田五月氏より挨拶を賜り、その後基調講演者の元内閣総理大臣の小泉純一郎氏より講演を頂いた。(とくに支持しているわけではないのだが)客観的にいって、小泉氏の講演に限っていえば、政治家というのはなんとスピーチがうまいのだろうと嘆息してしまうのである。会衆がよく知っている話題を用いて、ポイントを押さえ、しかも飽きさせない小気味よいテンポと話題の移り変わり。もう少し聞きたいというところで終わる、後味のちょうど良さ。牧師や教職者はパブリック・スピーチをきちんと自覚的に知る必要があるのではないか。拷問とは言わないまでも、苦痛なほど付き合うのが耐え得ないスピーチは、改善しなければならないなあ、ともちろん自戒を込めつつ考えてしまった。
講演中、尾崎行雄の言葉が紹介されたが、「人生の本舞台は常に将来にあり」という、尾崎75歳で詠んだ言葉が印象深い。現代は高齢化した社会であるが、尾崎は70代にして、なおも未来を指向していたのであるという、から驚いた。キリスト教の終末論的な雰囲気にも解釈できなくもないことばだが、若年者でも感動する言葉であろう。賀川はこういう人物と共に、世界連邦運動を行ってきたのである。
式典中は尾崎財団理事長の森山真弓氏が挨拶をされた。10月に開催された世界連邦日本大会のレセプション中でお会いし、筆者も挨拶がてら賀川100年記念事業の概要をお渡ししている。当館が世田谷にあると、自己紹介申し上げたところ、森山氏も同じ世田谷にお住まいとのことであるとのこと、ご機会があればお越しいただきたいと申し上げた。森山氏は、現在、世界連邦運動国会委員会の委員長を担われておられる。
その後は尾崎行雄関係団体の紹介があったが、紙芝居などを通して尾崎の精神を広めるある団体では、とにかく10台20台の若い人が多数参加し、年齢に関わりなく対等な呼び方でお互いを認め合っている姿をご紹介された。これら尾崎の精神を広めるためのNPOがいくつかあるのだが、若人を集め、組織化し、脱イデオロギーにおいて活動を活発化しおられると言っておられたのが印象に残る。誠にこれらの組織の皆様には敬服し、是非その秘訣を学ばせて頂きたいと謙虚に感じた。今後将来、賀川豊彦の精神を広めたいとして、10代20代の青年、青少年が元気な声で集まってくれるだろうか…私だけでなく、関係者一同で今から考えてゆかねばならない。
その後レセプションでは、先の日野原重明先生がスピーチされ、ユニークなトークに会衆皆聞き入っていた。
その後、世界連邦の植木光教先生がお話され、世界連邦の宣伝をされた。このお二人には、2月28日の賀川献身記念キックオフパーティに、共にご出席頂く予定である。乾杯には高村元外相が来られ、その後軽食を急ぎ足でつまみ歩いて帰路についた。
今後もこういった、その昔賀川豊彦が運動そのものと共に作り上げた、有機的な横のネットワーク(遠近はあるが)を、賀川事業関係者たちの無形の社会資源、あるいは社会遺産として、さらに世のために活用してゆかねばならないだろうと感じている。もちろん組織目的はそれぞれであり、グループ(共同体ごと)の思想的な相違はあるかもしれない。しかし賀川はまさにそれを平和的に乗り越えつつ、協働しよう呼びかけ奮闘してきた。共通する良きもの、共有する理想や価値、可能な範囲でもいいから、まずは協働する体制づくりと連携作りが出来れば幸いに思うところである。将来の本舞台を多くの賀川関係者と共に目指してゆけたらと思う一日であった。
講演中、尾崎行雄の言葉が紹介されたが、「人生の本舞台は常に将来にあり」という、尾崎75歳で詠んだ言葉が印象深い。現代は高齢化した社会であるが、尾崎は70代にして、なおも未来を指向していたのであるという、から驚いた。キリスト教の終末論的な雰囲気にも解釈できなくもないことばだが、若年者でも感動する言葉であろう。賀川はこういう人物と共に、世界連邦運動を行ってきたのである。
式典中は尾崎財団理事長の森山真弓氏が挨拶をされた。10月に開催された世界連邦日本大会のレセプション中でお会いし、筆者も挨拶がてら賀川100年記念事業の概要をお渡ししている。当館が世田谷にあると、自己紹介申し上げたところ、森山氏も同じ世田谷にお住まいとのことであるとのこと、ご機会があればお越しいただきたいと申し上げた。森山氏は、現在、世界連邦運動国会委員会の委員長を担われておられる。
その後は尾崎行雄関係団体の紹介があったが、紙芝居などを通して尾崎の精神を広めるある団体では、とにかく10台20台の若い人が多数参加し、年齢に関わりなく対等な呼び方でお互いを認め合っている姿をご紹介された。これら尾崎の精神を広めるためのNPOがいくつかあるのだが、若人を集め、組織化し、脱イデオロギーにおいて活動を活発化しおられると言っておられたのが印象に残る。誠にこれらの組織の皆様には敬服し、是非その秘訣を学ばせて頂きたいと謙虚に感じた。今後将来、賀川豊彦の精神を広めたいとして、10代20代の青年、青少年が元気な声で集まってくれるだろうか…私だけでなく、関係者一同で今から考えてゆかねばならない。
その後レセプションでは、先の日野原重明先生がスピーチされ、ユニークなトークに会衆皆聞き入っていた。
その後、世界連邦の植木光教先生がお話され、世界連邦の宣伝をされた。このお二人には、2月28日の賀川献身記念キックオフパーティに、共にご出席頂く予定である。乾杯には高村元外相が来られ、その後軽食を急ぎ足でつまみ歩いて帰路についた。
今後もこういった、その昔賀川豊彦が運動そのものと共に作り上げた、有機的な横のネットワーク(遠近はあるが)を、賀川事業関係者たちの無形の社会資源、あるいは社会遺産として、さらに世のために活用してゆかねばならないだろうと感じている。もちろん組織目的はそれぞれであり、グループ(共同体ごと)の思想的な相違はあるかもしれない。しかし賀川はまさにそれを平和的に乗り越えつつ、協働しよう呼びかけ奮闘してきた。共通する良きもの、共有する理想や価値、可能な範囲でもいいから、まずは協働する体制づくりと連携作りが出来れば幸いに思うところである。将来の本舞台を多くの賀川関係者と共に目指してゆけたらと思う一日であった。
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